<東横コラム>メンズヘルスドック【代謝・内分泌内科】
2022年4月よりメンズヘルスドックを開設しました
メンズヘルスドックは男性更年期障害に特化したドックです。男性更年期障害とは、加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌の低下によって引き起こされる身心の不調を言い、「LOH症候群(late onset hypogonadism syndrome加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれています。
テストステロンには筋肉や骨を強くする、男性の性機能を保つ、また、判断力や認知機能を高めるなどの働きがあります。テストステロンの分泌は20から30歳代をピークに、その後加齢とともに低下していきます(図)。
テストステロン低下に伴う症状は多彩であり、精神的にも身体的にも影響が出てくることがあります。気力の衰えや集中力・記憶力の低下、イライラ、うつうつ感、疲労感、不安感などが見られ、時にはうつ病と診断されて、不要な投薬を受けてしまう可能性があります。身体的には筋力低下、筋肉痛、多汗、勃起障害、性機能低下、ほてり、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿、肥満、肩こり、不眠などがあります。身体やメンタルに様々な影響が現れていても「仕事のせい」「ただの疲れ」と見逃されがちです。このまま放置していますと、糖尿病や脂質異常症、狭心症などの動脈硬化疾患のリスクを高めます。
テストステロンの分泌には、加齢以外に「生活習慣」や「社会的な活動」が深く関係しており、生活習慣の乱れやストレス、環境の変化などの外的要因によりテストステロンは減少してしまいます。特にコロナ禍の状況では一層発症のリスクが大きくなると考えられます。実際ここ数年、40歳代から60歳代の「気力の衰え」や「体力の低下」を訴える方が増えています。その多くにテストステロンの低下が認められていますが、治療開始により効果が得られています。
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図:日本人男性における遊離テストステロン値の年齢分布
出典;日泌尿会誌, 95巻, 6号, 2004年: 751~760