ご挨拶
脳血管内治療科では、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)や、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍などの疾患に対するカテーテルによる手術(脳血管内治療)を行っています。当院には、脳神経血管内治療専門医が4名(指導医1名、専門医3名)在籍し、日本脳神経血管内治療学会認定の研修施設として、専門的な治療を行うと共に、若手医師の教育と専門医の育成を担っています。
当院脳卒中センターでは、24時間・365日体制で救急患者の受け入れを行っています。急性期救急医療としての脳血管内治療専門医の役割は、急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法やくも膜下出血を生じた破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術等です。待機的な治療としては、頭蓋内動脈狭窄・頸動脈狭窄に対するステント留置術、未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍などに対する塞栓術があります。これらの治療について、脳神経内科医や脳神経外科医と共に最善の治療方法を検討した上で、患者さまやそのご家族と相談して、最適な治療方法を行っていきます。
さらに新たな診断・治療方法の開発や臨床試験にも積極的に参加しています。脳卒中・脳神経系の疾患でお困りの方はいつでも受診、あるいはお問い合わせください。
診療内容
- 脳血管内治療とは、カテーテルを用いて血管の中から脳内の血管病変を治療するもので、頭を切らない新しい手術です。もともと脳血管撮影という、脳の血管をカテーテルと造影剤を使って撮影する検査から発展した手術法です。
- 従来の開頭法による手術では治療困難であった様々な疾患が、この新しい方法によって治療可能となってきました。脳血管内治療は、日本脳神経血管内治療学会で認定された専門医(指導医)によって行われます。
- 当院には5名の専門医(指導医1名)が在籍して、24時間365日体制で治療を担当します。また当院は、2009年4月より日本脳神経血管内治療学会認定の研修施設として、専門医資格を取得するための多くの医師(脳神経内科医・脳神経外科医)の研修を行っています。
- そこでこれまでの実績を踏まえて、当院では2020年4月1日に、「脳血管内治療センター」を開設しました。
- 当院では、24時間365日体制で、脳血管内治療(特に急性期脳梗塞に対する血栓回収療法)が施行できるように、体制を整えています。そのため、脳卒中センター(脳血管内治療センター)の医師は、医療関係者間コミュニケーションアプリ(JOIN)を用いて、リアルタイムに情報を共有し、緊急治療に備えています。
外来診察
専門外来として、月曜日午前と水曜日午前に、植田が担当しています。
主な対象疾患
急性期再開通療法
- 急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法
狭窄血管に対する拡張術
- 頸動脈狭窄症に対するステント留置術
- 頭蓋内動脈狭窄に対する経皮的血管拡張・ステント留置術
- 鎖骨下動脈狭窄症に対するステント留置術
- 脳血管れん縮血管に対する拡張術
- 脳血管解離に対するステント留置術
塞栓術
- 破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)に対する塞栓術
- 未破裂脳動脈瘤に対する塞栓術
- 脳(脊髄)の動静脈奇形に対する塞栓術
- 脳(脊髄)の動静脈瘻に対する塞栓術
- 頸動脈・海綿静脈洞瘻に対する塞栓術
- 脳腫瘍に対する栄養血管の塞栓術
診療実績
2009年より2020年までの治療件数を示します。
カテーテルによる脳血管撮影検査は計4,142件、脳血管内治療は計1,991件となりました。
術式 | 件数 | |
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脳血管造影検査 | 総数 | 4,142 |
脳血管内治療 | 総数 | 1,991 |
急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法 | 485 | |
頸動脈ステント留置術 | 580 | |
頭蓋内動脈狭窄に対する血管拡張術(ステント留置術) | 183 | |
頭蓋外動脈狭窄に対する血管拡張術(ステント留置術) | 144 | |
脳動脈瘤に対する塞栓術 | 409 | |
脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻に対する塞栓術 | 73 | |
脳血管攣縮治療 | 57 | |
その他の脳血管内治療 | 35 |
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