医療安全管理室の役割
医療安全管理室では、日々医療安全対策と感染防止対策について活動しています。
医療安全対策
医療安全対策について
医療は患者さまと医療者の相互の関係で行われます。治療方法は1つではなく、複数の選択肢があります。そこに患者さまご自身の考え方や生き方を尊重しながら最善の方法を選択していくことが重要です。治療については、患者さまが納得できる医療を選択できるよう、情報を提供し説明に努めます。また、安全管理、情報開示、個人情報保護などについて病院全体で指針を定め業務を遂行しています。万一、問題が発生した時は、医療安全管理室、医療安全管理対策委員会などで対応する体制を整えています。これらのことにつきましてご不明な点がございましたらご質問ください。医療の安全を守るため、下記のことについて患者さま・ご家族のご理解とご協力をお願い致します。
- 検査・治療に関するご自身の考えを積極的にお伝えてください。
- 確認のためにお名前を名乗ってください。
- 健康状態及び変化時は、速やかに正確に医療スタッフにお伝えください。
- 薬や食べ物でアレルギーがある場合はお伝えください。
- 他院でお薬が出ている・サプリメントを飲んでいる場合はお伝えください。
- 検査や治療などの医療行為は、十分な理解と合意の上で受けてください。
- 納得できないことや理解しづらいことは遠慮せずに医療者にご質問ください。
- 診療や療養などに対して不安や疑問点等がありましたらご相談ください。
- インシデント、アクシデント、合併症に対して不安や疑問点などありましたらご相談ください。
レポート実績
日常業務の中で、ヒヤリハットからインシデントアクシデント・合併症報告を全職員が行い、振り返り次への防止対策について検討します。
件数 | 2019 | 2020 | |
---|---|---|---|
影響度 | 0 | 219 | 235 |
1 | 358 | 322 | |
2 | 135 | 151 | |
3a | 152 | 200 | |
3b | 10 | 11 | |
4 | 0 | 5 | |
5 | 0 | 1 | |
9 | 1 | 13 | |
職種別 | 医師 | 21 | 22 |
看護師 | 701 | 742 | |
薬剤師 | 46 | 54 | |
画像 | 6 | 8 | |
臨床検査技師 | 25 | 40 | |
CE | 0 | 2 | |
リハビリ | 10 | 11 | |
栄養士 | 2 | 2 | |
事務 | 38 | 49 | |
その他 | 26 | 3 | |
分類 | 薬剤 | 331 | 327 |
輸血 | 120 | 13 | |
治療処置 | 124 | 23 | |
ドレーン・チューブ | 109 | 114 | |
検査 | 93 | 88 | |
療養上の世話 | 27 | 21 | |
医療機械など | 26 | 22 | |
転倒転落 | 56 | 72 | |
スキンテア・褥瘡 | 2 | 112 | |
その他 | 100 | 141 | |
合併症 | 4 | 4 |
院内研修(2020年度 e-ラーニング研修)
開催日 | テーマ | 内容 | 受講率 |
---|---|---|---|
2020年 5月11日〜 6月30日 |
心理的安全性 | ①心理的安全性と現場に心的安全性がないとき ②心理的安全性の歴史と現場に心理的安全性があるとき |
100% |
2020年 11月16日〜 12月25日 |
病院で働く職員へ 向けた臨床心理 |
①プライバシーと守秘義務の倫理 ②インフォームドコンセントと診療辞退 |
98% |
2021年 2月1日〜 3月12日 |
薬剤インシデント |
①医師の処方ミス ②持参薬の確認不足 ③KCLの誤投与 |
82% |
2021年 3月1日〜 3月26日 |
ルクセルバッチ |
放射前従事者の安全利用研修 | 98% |
院内ラウンド実績
毎月1回、各部署のセーフティマネージャーのグループで院内ラウンドを行っています。
チェックポイントは、安全の意識・実際の対応、部署の危険性の予想理解・実践の内容、5S実施状況・救急カート・避難路管理などです。
医療安全推進週間
厚労省では、11月25日を含む1週間を医療安全週間と定めています。当院でも全職員挙げて、啓蒙活動に励んでいます。
感染防止対策
感染対策について
「安全な療養環境」の中には、「感染をおこさない安全な環境」という意味も含まれており、感染対策は医療安全と同じく重要です。当院では医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・事務により感染対策チーム(ICT)を結成し、院内の感染対策を実行しています。様々な職種がチームとして取り組むことで視野を拡げた感染対策を行うことができます。入院中の患者さまの療養環境を感染から守り、安全に過ごしていただけるように努めております。
院内研修
職員は年2回以上の感染対策研修の受講を必須としております。
2020年研修実績
開催日 | テーマ | 講師 |
---|---|---|
2020年 7月31日 |
第1回感染対策研修会(e-ラーニング) ・こんな時どうする?確定前から始める感染対策シミュレーション「新興感染症」 ・感染対策の概論「感染経路と感染経路別予防策 |
e-ラーニング |
2020年 12月17日 |
吐物処理演習 | 感染管理認定看護師 |
2021年 1月18日〜 2月12日 |
第2回感染対策研修会(e-ラーニング) 【COVID-19関連】 ・個人防護具の正しい着脱 ・ベッドサイドで行うケア |
e-ラーニング |
2021年 1月25日・29日 |
長袖ガウン着脱訓練 | 感染管理認定看護師 |
2021年 2月3日 |
長袖ガウン着脱訓練 | 感染管理認定看護師 |
2021年 2月4日 |
吐物処理演習 | 感染管理認定看護師 |

エプロンの着脱研修

手洗いの洗い残しの確認研修
院内ラウンド
感染対策チームによる週1回の院内ラウンドを行っています。医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師を中心に多職種で院内ラウンドを行うことで、専門性を活かし様々な視点でチェックしています。
以下の項目にポイントをおき、ラウンドを行っています。
- 患者さまの療養環境が感染対策上、適切に整えられているか
- 職員が適切な感染対策行動をとっているか
- 職員が自らを感染から守る行動をとっているか
院内ラウンドの結果改善点が必要な場合は、部署の職員と一緒に対策を考え、次回の院内ラウンドで改善がされているかもチェックし、感染対策が継続できているかを確認しています。
ニュースレター発行
感染対策ニュースとして1~2か月ごとに職員向けにニュースレターを発行しています。近隣で流行している感染症や感染にまつわる最新のトピックスなど配信しています。
2020年度 感染対策ニュース発行履歴
発行日 | 号数 | テーマ |
---|---|---|
5月15日 | No.85 | 第2波に備える!三密対策を見直しましょう! |
6月15日 | No.86 | 環境清掃の効果 |
7月6日 | No.88 | 昼休憩時のラウンジ ラウンドします! |
7月27日 | No.89 |
歯磨きは洗面台で行いましょう! 歯磨きによる飛沫発生中! |
9月4日 | No.90 | COVID-19接触者となったら、即ICTへ報告を! |
9月23日 | No.91 |
当院でのクラスター対策 昼休憩時のラウンド結果報告 第2弾 |
10月6日 | No.92 | 新しい会食の形~感染対策を講じた会食~ |
12月16日 | No.93 | 洗面所でのルール |
12月21日 | No.94 | 歯磨きによる流し周囲の汚染について |
1月27日 | No.95 |
感染源は手回し蛇口か |
院外へ向けた活動
当院は地域に密着した病院として、近隣の病院・施設とも連携しており、高齢者施設や訪問介護ステーションなどでも感染対策講習会を行っています。また、患者さまを対象とした「東横病院公開講座」で感染予防についてのお話をさせて頂き、地域の方々と一緒に感染対策の向上を目指しています。