生活習慣病センター(代謝・内分泌内科)DEPARTMENT

  • 太田 明雄

    おおた あきお

    太田 明雄

    生活習慣病センター長 代謝・内分泌内科教授

    糖尿病 内分泌 脂質異常症

  • 酒井 健輔

    さかい けんすけ

    酒井 健輔

    医長 代謝・内分泌内科助教

    糖尿病 内分泌

  • 小藤 梢

    こふじ こずえ

    小藤 梢

    医員 代謝・内分泌内科任期付助教

    糖尿病 内分泌

  • 大森 慎太郎

    おもり しんたろう

    大森 慎太郎

    非常勤医師 聖マリアンナ医科大学東横病院 登録医

    糖尿病 内分泌

ご挨拶

2015年4月に東横病院生活習慣病センター(代謝・内分泌内科)を開設しました。

生活習慣病とは、過食、運動不足、過度のストレス・飲酒等の生活習慣の乱れや喫煙が引き起こす糖尿病や脂質異常症、高血圧、肥満症のことです。特に糖尿病の合併症は脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化疾患や、三大合併症といわれる網膜症、腎症、神経障害などの多岐に渡ります。さらに、アルツハイマー型認知症や悪性腫瘍も糖尿病の合併症であることが、最近の研究で報告されています。生活習慣病の予防・治療は21世紀医療における最重要課題なのです。

当センターは「ABC構想」
A:アカデミック(学問的根拠に裏付けられた医療)
B:ベネフィット(患者の皆さまやご家族の手助けになること)
C:クリニカル (患者の皆さまに寄り添った診療)
をモットーに、糖尿病及びその合併症の進展阻止と寛解に向けた診療を通じて、地域における生活習慣病の抑止に貢献してゆきたいと思います。

ご挨拶

糖尿病や脂質異常症、高血圧、肥満症などの疾患は生活習慣の乱れの蓄積により引き起こされます。特に問題になっているのは糖尿病の増加です。厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査によりますと、「糖尿病が強く疑われる人」1,196万人と「糖尿病の可能性を否定できない人」の1,055万人を合わせると、全国に2,251万人以上いると推定されています。
「痛くないし体調も悪くない」、「忙しくて受診ができない」、「サプリや健康茶を飲んでいれば良くなるはずだ」と思われている方が多くみられます。しかし、高血糖による血管への負担は思っている以上に大きいのです。血糖コントロール不良状態が続きますと、全身の血管が障害され、目・腎臓・神経の病気、脳梗塞・心筋梗塞などの合併症を発症しやすくなります。さらに腎不全や悪性腫瘍、認知症などさまざまな合併症を引き起こす危険性が高くなります。 私たち医師の使命は一人でも多く生活習慣病や糖尿病の発症を未然に防ぎ、合併症を阻止することであります。

診療内容

  • 糖尿病(腎症・神経障害・足病変にも対応)
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 動脈硬化症
  • メンズヘルス(男性更年期障害)
  • 高尿酸血症
  • 肥満症
  • 脂肪肝
  • 内分泌疾患:下垂体疾患、甲状腺(例:橋本病、バセドウ病)、副腎疾患(例:原発性アルドステロン症、クッシング症候群)

診療内容と特色

外来、入院共に糖尿病専門医と看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士がチームで糖尿病、脂質異常症、高血圧や高尿酸血症の治療に取り組んでいます。
また、糖尿病をお持ちの高齢者の方々にはソーシャルワーカーとの連携により最適な介護(食事・運動・訪問看護)を受けられるよう努めています。
2017年より全国に先駆けてCGM外来(CGM:持続グルコース測定)を立ち上げました。検査件数は神奈川県でトップであり、全国では5本の指に入ります。最長14日間の血糖値を推計できるCGMは、従来把握できなかった低血糖や血糖変動をより正確に評価することが可能となりました。血糖の変動が視覚化されますので、個々の患者さまの状態に即したより適切な治療を提供することができます。
さらに当センターでは、1型糖尿病の治療としてパーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法SAP(Sensor Augmented Pump)療法も行っています。また、合併症に対しては神経障害や糖尿病足病変(肥厚爪、陥入爪、胼胝、鶏眼など)の治療にも力を入れています。
内分泌疾患診療は、下垂体疾患、甲状腺(例:橋本病、バセドウ病)、副腎疾患(例:原発性アルドステロン症、クッシング症候群)を対象とした診療を行っています。

特別外来

CGM外来(シージーエム外来:持続糖濃度モニター外来)

糖尿病の合併症予防には2か月間の血糖指標であるHbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)の改善のみならず、「血糖変動」を解消することが重要です。CGMは血糖推移を単なる「数字の情報」から、見ただけで状態がわかる「可視化した情報」として提供することができます。CGMは食後高血糖だけでなく、夜間就寝中の低血糖や日中の無自覚低血糖も検出します。保険診療上自己血糖測定を行えない経口薬のみの患者さんや、血糖の測定が困難なインスリン治療中の患者さんに有用で、特にご高齢の方において慢性的な無自覚低血糖による認知症や心血管イベントのリスクの回避につながることが期待できます。14日間500円玉位のセンサーを上腕につけていただきます。この間は運動、入浴、水泳など可能であり、普段通りお過ごしいただいて結構です。CGM外来では結果をもとに、薬剤や食事・行動日誌から血糖推移の背景を評価いたします。

特別外来

センサー装着部位

特別外来

14日間の血糖推移グラフ
(横軸は時間、縦軸は血糖(推計値))

特別外来

14日間の血糖推移グラフ

※1:グレーは目標とされる血糖範囲を満たす時間の割合。
※2:赤は低血糖(70mg/dL未満)の割合。
※3:オレンジは高血糖の割合。
グレーの部分が多い程、血糖コントロールの状態が良いことを表しています。

肥満症外来(肥満手術のご相談応需)

高度肥満の方は糖尿病や心血管疾患、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患など多くの合併症を伴っています。食事、運動療法など生活習慣の改善と抗肥満薬による内科的治療が行われます。
また、内科的治療だけでは減量困難な方には、ご希望により肥満手術を導入することがあります。この手術の目的は肥満を軽減させるだけでなく、合併症を改善させることにあります。糖尿病などの代謝異常の改善を主眼とした腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は、当院において2018年神奈川県で先陣を切って行われました。スリーブとは「袖」や「筒」を意味し、胃を筒のように細くして食事摂取量を制限しようとするものです。実際は小弯側胃を100cc程度に残して外側部分(大弯側)を切除する術式です。肥満症外来では、手術の可否についても精査させていただきます。

フットケア外来

足白癬

足白癬

爪白癬

爪白癬

白癬菌(電子顕微鏡)

白癬菌(電子顕微鏡)

鶏眼(魚の目)胼胝(タコ)

鶏眼(魚の目)胼胝(タコ)

  • 足白癬(あしはくせん)・爪白癬(つめはくせん):「水虫」といわれるもので白癬菌というカビが原因で起こります。足白癬は日本人の5人に1人、爪白癬は10人に1人と言われています。指の間が白くふやけたり、小さな水疱ができたりしますが、時に足の裏がカサカサして皮がむけるなどの症状が現れます。足白癬は細菌感染を招き壊疽などを起こすことがあります。
    当センターでは外用薬や抗真菌薬の内服治療を行っています。
  • 肥厚した爪:白癬菌などが原因で爪が厚くなります。外見の問題だけでなく、靴を履いた時に痛みを生じることがあります。白癬菌の有無を確認し、白癬菌が認められたら抗真菌薬により治療を行います。さらに、厚くなった爪に対して爪はさみや特殊な研磨機を用いて整えます。
  • 陥入爪(かんにゅうそう):爪の横の部分が皮膚に食い込み、皮膚に炎症を起こした状態を言います。時に皮膚が裂けて肉芽が出てきてしまうこともあります。強い痛みを伴い、歩くのも辛くなる場合には短時間の手術で改善が期待できます。
  • 巻き爪(まきつめ):巻き爪とは、爪の両端が内側に巻き込んだ変形のことを言います。巻きこんだ爪は皮膚を傷つけ炎症を起こすことがあります。巻き爪の程度によっては手術を行うことがあります。
  • 巻き爪の矯正:巻き爪の治療に切らないで矯正する(爪の形を改善する)方法があります。『B/Sスパンゲ』という、ドイツで開発された薄くて細い板状の器具を爪の表面に装着します。矯正具の反発力により巻いた爪を正常な形へ近づけていきます。爪に装着するだけですので、皮膚を切ったり爪を抜いたりすることはありません。見た目もわからず、靴下やストッキング、あるいは靴を履いてもなんら支障はありません。この治療は自費となります。
    1指:5,500円(税込)
巻き爪の矯正処置『B/Sスパンゲ』

巻き爪の矯正処置『B/Sスパンゲ』

  • うおのめ(鶏眼:けいがん)・たこ(胼胝:べんち):うおのめは、足裏(足底)にできる径5mm程の硬い皮膚病変で、歩行時に激しい痛みを伴うことがあります。硬くなった皮膚の角質の芯が神経を杭のように圧迫して痛みを生じます。治療は中心部の芯の部分をメスやニッパーなどで切除します。
    胼胝は「たこ」とも言われています。皮膚が慢性の刺激を受けてできますが、うおのめと異なり面積も大きく厚くなります。痛みの無いこともありますが、足底は胼胝で常に圧迫されているため胼胝の奥に炎症が生じることがあります。胼胝はコーンカッターと呼ばれる特殊な器具を用いて安全に整えることができます。

入院治療の特色

  1. 糖尿病教育入院・糖尿病合併症管理入院:7~14日間
    効率的かつ継続可能な食事・運動療法を実践し、インスリン注射などの治療手技を確立します。また、簡易血糖測定器の取り扱いや低血糖への対処を習熟し、合併症の有無・重症度を患者さんやご家族の皆様が把握できるようになることを目指します 糖尿病合併症に対しては、症状の改善や進行抑制を目指した治療が行われます。

    ・運動療法:当センターでは、理学療法士による運動指導を行います。患者さんの年齢、病状、普段の運動量などを考慮した上で、個人個人に合わせた運動プログラムを実践し、ご自宅でも運動を継続できるようサポートします。また、手足の筋力やバランス能力などの測定を行いますので、ご自身の体力レベルをご確認いただくことができます。また、トップアスリートやプロの選手が利用する加速度(3次元振動)トレーニングマシン パワープレートによる運動も行います。

    運動療法

    パワープレートについて

    パワープレートは、1秒間に25〜50回の高速振動で、あらゆる方向から全身の細部の筋肉に負荷をかけ、短時間で効率的なエクササイズをすることが可能です。神経系・筋骨格系・循環系が刺激され、短時間で多くの効果を身体にもたらします。

    パワープレートについて

    ・食事療法:入院食は、個人ごとにエネルギーや塩分を調整したバランスの良い食事となっています。雑穀米やおかずの味付けの工夫など糖尿病の食事療法を体験していただきます。退院前には管理栄養士による栄養教室があり、退院後の食生活に向けて具体的なアドバイスもさせていただきます。

    ・薬剤による治療:食事、運動療法で血糖コントロールがつかない場合には、お薬での治療が必要になってきます。内服薬や注射薬など、どのお薬を使って治療を進めていくかは患者さんによって様々です。治療に使われるお薬について医師・薬剤師がわかりやすく説明し、患者さんがきちんと理解したうえでお薬を続けられるようサポートします。

    ・看護指導:糖尿病と診断された方が日常注意しなければいけない入浴や足の手入れ観察方法、低血糖時の症状や対応、風邪など体調不良などで食事が摂れなくなった時や、災害時にむけて準備しておくと便利な物品や知識などについて、わかりやすく説明します。また、治療で必要な血糖測定や注射手技については個々で指導させていただきます。

  2. 内分泌精査入院:5日間
    原発性アルドステロン症(二次性高血圧)などの内分泌疾患の診断を目的としたホルモン負荷試験を行います。
  3. 高度肥満症減量入院:7~14日間
    医師と看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士がチームで高度肥満症に対しては減量目的での入院を行います。厳格な食事療法と運動療法を行い目標体重まで減量できるように努めます。さらに肥満手術を希望される方において手術に向けての全身状態の改善を目指します。

生活習慣病センターにおけるドック

メンズヘルスドック(男性更年期ドック)

男性更年期障害とは、「LOH(ロー)症候群(late onset hypogonadism syndrome加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれており、加齢に伴い男性ホルモンであるテストステロンの分泌の低下によって引き起こされます。症状は精神的にも身体的にも多岐にわたり、気力の衰えや集中力・記憶力の低下、イライラ、うつ、疲労感、不安感などがみられたり、身体的には筋力低下、筋肉痛、多汗、勃起障害、性機能低下、ほてり、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿、肥満、肩こり、不眠などがあります。テストステロンの減少は生活習慣病の悪化につながります。男性更年期障害はテストステロンの低下に加え、ストレスや環境の変化などさまざまな外的要因も重なり生じてきますが、特にコロナ禍の状況では一層発症のリスクが大きくなると考えられます。うつ症状と紛らわしく、男性更年期障害とはわからずに不要な投薬を受けてしまう可能性があります。上記の症状がありましたら、ぜひご相談ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

外来担当医表

代謝・内分泌内科(※1)
内科初診
専門外来
AM (8:30~11:00) PM(13:30~16:00)

第1・3・5 ◎太田 明雄
第2・4 小藤 梢

CGM外来(10時~)

大森 慎太郎

(※1)フットケア外来 ◎太田明雄

酒井 健輔

(内科初診)小藤 梢 CGM外来(10時~)

酒井 健輔

(内科初診)小藤 梢 

第1・3 糖尿病腎症外来 ◎太田 明雄

(内科初診)酒井健輔 CGM外来(10時~)

◎太田 明雄

(内科初診)酒井健輔

酒井 健輔

CGM外来(10時~)

小藤 梢
◎太田 明雄
CGM外来(10時~)
◎太田 明雄

小藤 梢

(内科初診)酒井健輔

◎ =センター長・部長 / ○ =副センター長・副部長

※1 フットケア外来の初回診療は「代謝・内分泌内科」担当医がトリアージを行います。
 2回目以降はこちらの枠で糖尿病患者の重症足病変を予防するためのセルフケア指導、末梢神経障害の評価や胼胝・陥入爪など足処置を行います。

休診・代診情報

休診・代診情報はありません。

地域の先生方へ

平素より東横病院をご支援いただきまして感謝申し上げます。

肥満症外来

高度肥満患者における糖尿病などの代謝異常の改善を主眼とした肥満外科手術metabolic surgeryについてご紹介致します。2018年神奈川県で初めての肥満外科手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)を当院で行うことができました。スリーブとは「袖」や「筒」を意味し、胃を筒のように細くして食事摂取量を制限しようとするもので、実際は小弯側胃を100cc程度に残して外側部分(大弯側)を切除する術式です。高度肥満者は糖尿病や心血管疾患、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患など多くの合併症を伴っています。この手術の目的は肥満を軽減させるだけでなく、合併している健康障害を改善させることにあります。合併症の改善が内科的治療だけでは困難である方が手術の適応となります。高度肥満症治療で難渋される患者さまがいましたら生活習慣病センターにご紹介いただければ幸甚に存じます。

CGM外来

糖尿病の合併症予防にはHbA1cのような血糖指標の改善のみならず、「血糖変動」を解消することが重要です。CGMは血糖推移を単なる「数字の情報」から「可視化した情報」として患者さまに提供することができますので、患者様ご自身が病状を深く認識するようになり治療意欲の向上にもつながります。CGMは食後高血糖だけでなく、夜間就寝中の低血糖や日中の無自覚低血糖も検出します。保険診療上SMBGを行えない経口薬のみの患者様や、血糖の測定が困難なインスリン治療中の患者様に有用で、特に高齢者において慢性的な無自覚低血糖による認知症や心血管イベントのリスクの回避につながることが期待できます。治療効果が「点と点」ではなく、「連続した線」として把握できるので治療の見直しにつなげられます。HbA1cだけでは潜在的な低血糖を捉えることができないため、HbA1cの低下イコール良好な血糖管理ではないことが多くの症例で認められます。近隣の先生方の糖尿病診療支援として当センターでは、2017年4月「CGM外来」を全国に先駆けて開設しました。CGM外来では結果を印刷して終了というのではなく、薬剤や食事・行動日誌から血糖推移の背景を評価した診療情報を提供しています。CGMが患者さまならびに糖尿病診療に携わる先生方に少しでもお役に立てればと願っております。

診療情報の使用について

詳しくはこちら

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